“マンモス”を折れ!

教室に入り、席に座った。
教室全体で40人ほどいて、それぞれ二人組になっている。
私のペアは、隣のクラスの顔だけ知っている奴だった。
開始10分前になると、灰色のスーツを着た試験官らしき男が入ってきた。
男は、全ての机を廻って一人一人に一辺が15cmくらいの四角形の薄い紙を配り終えた後、こう言った。

「お題は”マンモス”です。後は自由にやって下さい。1時間後にまた来ます。」

なるほど。配られた紙でマンモスを折れってか。
でも、私はマンモスの折り方なんか知らない。
なるほど、だからペアになってるのか!
一丁折り方を聞いてやるかと思って、隣を見ると、マンモスなど折ったことの無さそうな顔をしている。
こんな重要な時になんて運が無いんだ。
しかも、奴の折り紙は生意気にもマンモスにおあつらえ向きの茶色をしている。
許さんぞ。
こうなったら、意地でも一人でマンモスを折ってやる。

一時間後、お世辞にもマンモスには見えない、くしゃくしゃに縮こめられた紙を提出した。
隣の奴は、マンモスらしきものを提出していた。
ふざけるな。

一週間後、皆のもとに合否通知が届いた。
不合格だったのは私だけだった。

※この記事はフィクションです

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